幸せのある社会 フランス光明院主 融快(ダニエル ビヨー)
訳者 融仙 人生は挑戦して乗り越えるもの, 幸せはふさわしい功績に応じて得る、冒険は試してみる。 マザー テレサの言葉より 我々は生きる上で最小限必要とするものがある。確かに貧乏より金持ちのほうが良い、安全にある程度自由な暮らしが出来る。しかしそれも限界をすぎると不要なことが多い。...
宇宙と一体になる道
宇宙と一体になる道 フランス光明院主 融快 <最大の敵はエゴ(我)である> ダニエル ビヨー 訳者 融仙 コロナ禍での一年間、外出自粛など様々な制限の下で在宅生活を余儀なくされた。都会で狭いマンシヨンに一家で暮らすのは容易ではない。家族の間で衝突や口論が起きることは避けられないし、青少年の間に極度の鬱状態に陥った例が幾つも報告されている。我々は自由でないと息が出来ない、くつろげない、自己の生在感を意識して幸せに生きるためにも他の人々を必要とする。 しかし、修行に励む僧たちは閉じこもりの生活をし、時には一生隠遁生活送る僧もいる。孤独の内に悟りを開いてより大きい喜びを体験するためである。この相違は何処から来るのであろうか? 前者は、都会の喧騒の中で感情的な高揚を求める、さもないと生きられないように思っている。後者は、孤独と静寂の中で仏とのふれあいを深めて内の感受性を大きくすることを目指す。...
慈悲心の目覚め
慈悲心の目覚め (発菩提心) フランス光明院主 融快ダニエル ビヨー 訳者 融仙 2020年は伝染病 COVID19が世界中に広まり甚大な被害を及ぼしている。フランスでも 不意を打たれた医療従事者たちは極めて困難な事態に直面し、身を守るためのマスクや防護服 は国内での調達が不可能で有様であった。なぜなら医療具の殆どが中国で製造されていて、そ れらの中国製品はUSAへの供給を優先としていたからである。にもかかわらず、病人を治療し て苦しみや孤独から救おうと熱意に燃えた医者、看護師、介護の人々は、自分自身や家族への 危険をかえりみず日夜献身し続けた。なかには病に倒れた人々、命を落とした人々も多くあっ た。世界各地で献身的に貢献された人々、犠牲者たちの勇気に心からの敬意と感謝を込めて祈 りを捧げたい。 こうした惨事を見て多くの人々は経済のグローバル化と国家間の相互依存のありかたに強い疑 問を持つようになった。 フランス共和国のモットーは”自由、平等、友愛”である。国民が暮らしやすく強い安定した国 となるための正義ある社会を築くために掲げる理想である。...
夢に導かれる
宗教の世界は神秘で素晴らしい、 神秘とは我々が清められるに従って、様々な世界が啓示されるからである。素晴らしいとは 我々の内的体験による発見は想像を遥かに超えて不思議で慈愛に満ちていて皆が同じ一つの心 を分かち合っているからである。一人一人が宇宙の大海の表面に浮かんだ極めて小さい波のよ うなものである。心で繋がっているから、各人の発展は人類全体の発展となる。皆は一緒に成 長している。 心理学では集団意識と言い、仏教では、帝釈天が張り巡らせた網に我々と目に見えないいくつ もの異なる次元の世界に住む生き物全てと結ばれていると言う。宇宙は一つである。だから、 我々は互いに夢や直感により直接影響しあって生きている。 夢の世界 現代の科学はすべてを解くことができない、宇宙は光の大海の中を電波が縦横自在に流れてい る光の大河であると言う。しかし、それぞれ異なる波長に何が生きているかは知らない。我々 の智慧と感受性は、少なくともこの分野ではどんな高性能の機械をも超えている。 人類の誕生以来、シャーマン(霊媒者)や宗教家、特殊な人たちはこれらの目に見えない世界...
青木融光大僧正30回忌に想う
安らぎの心 青木融光大僧正30回忌に想う 仏像に見る釈迦牟尼仏のお顔の微笑みには平静な安らぎと深い知慧がうかがわれる。人間は誰もが病と老と死をまぬがれないと知った青年は、王国と妻と子供を捨て、森林に隠退し、厳しい修行を重ねて瞑想にふけった。そして、ついに苦しみから解脱するにいたった。 何を見出したからであろうか?宇宙は一体であることを悟ったのである。 三世常恒に宇宙法界を照らし給う大日如来である。凡聖を貫き十方に普く自他一如の真心である。白浄の蓮華の如く円明の月輪の如く 物と対立する心でなく 所謂物心不二の霊体である。 青木融光大僧正 大日如来の信仰...
真実を知る時
フランス光明院、融快(融仙訳) : <明日せねばならないことは、今日しなさい。今晩せねばならないことは、朝のうちにしなさい。死は仕事を終えるまで待ってはくれない>インド古典,マハバラタ 幸福の源 フ ランス語では、幸福という言葉は,良いと時という二字からなっている。つまり、物事が成功するための良い条件が良い時に起こることをいう。最近のこと、儀 式に使うために、白い大きいテントを探していた時、光明院から50キロメートル離れた店で、望みどおりのテントが見つかったので,買おうと思ったが、大き すぎて私の車に入らない。困って,諦めかかった時、店の前で小型トラックに積み込んでいるアラブ人がいた。何気なく、どこへ行くのか聞くと、私の家の近く まで行くという。わずかの謝礼で快く運んでくれた。別れる時、私は彼にアラーの神様のおかげだねといった。 幸 福は、時とすると、求めなくてもやってくる。丁度,思ってもいない時に、思いがけない所で、偶然に、出会う友人のようなものである。論理的には、ほとんど...
人生の選択 フランス光明院 融快(融仙訳)
最後の花、最後の木が切られ、川に最後の魚が無くなった時、 人間はお金は食べられないと気がつくであろう。 アメリカインデアンの酋長 仏 教が教える生き方の根本は、普遍であって、時や場合によって変わることはない。戦争や平和、金持ちや貧乏人でも、カルマ(因果)の法則は同じである。他の 生き物へのよい行いは幸せをもたらし、悪い行いは不幸をもたらす。長い人生の間には、様々な善悪の行いをする機会に出会う。見ないふりをいたり、無関心の まま何もしないことがある。善い行いををすることを選ぼう、心が明るくなる。仏様は悟りの扉を開く前に、我々の慈悲心を試される。 インドの伝説 インドに伝えられている古い伝説に、世界の移り代わりを4段階に分けて人間社会の推移を象徴的に描いたものがある。 第1の世界は、賢者の時代、...
愛から慈悲へ
フランス光明院 融快 (融仙訳) 三匹の蝶が愛の話をしていた。一匹は、「私は愛の炎を見た。」といった。二匹めは、「私の羽は、愛の炎に傷ついた。」といった。三匹めは、なにも言わないで、火に飛び込んで、燃えてしまった。最後の蝶だけが本当に愛を知っていた。 <アラブの伝説> 愛 この世で最も大きい力は愛の力である。人間と社会全体のあらゆる進歩の源であるからである。憎しみ、貪欲、偏見によって、自己に閉じこもるエゴイスムから抜け出て、世の中をより広くより深く理解し、人々のために尽くすことができるようになる。 つ かむ、殴るなどとこぶしを固めると、自分では、強くなったように思うかもしれないが、生命とのつながりが絶たれてしまう。手を開いて与えることから愛が生 まれる。報いを待たずに、恩知らずの人も信じ、与えると、そのうちに自分も心の大きい人たちと出会い、ともに歩むことが出来るようになる。一人ではなにも 出来ない。世の中がよく分かるとは言えない。友情で結ばれ、尊敬しあった人々が集まって、共通の目的に向かって進めば、様々な見地から考察することが出来...
愛から慈悲へ
三匹の蝶が愛の話をしていた。一匹は、「私は愛の炎を見た。」といった。二匹めは、「私の羽は、 愛の炎に傷ついた。」といった。三匹めは、なにも言わないで、火に飛び込んで、燃えてしまった。最後の蝶だけが本当に愛を知ってい た。 <アラブの伝説> 愛 この世で最 も大きい力は愛の力である。人間と社会全体のあらゆる進歩の源であるからである。憎しみ、貪欲、偏見によって、自己に閉じこもるエゴ イスムから抜け出て、世の中をより広くより深く理解し、人々のために尽くすことができるようになる。 つ かむ、殴るなどとこぶしを固めると、自分では、強くなったように思うかもしれないが、生命とのつながりが絶たれてしまう。手を開いて 与えることから愛が生 まれる。報いを待たずに、恩知らずの人であろうと信じて与えると、いつか、心の大きい人たちと出会い、ともに歩むことが出来るように なる。一人ではなにも 出来ない。世の中がよく分かるとは言えない。友情で結ばれ、尊敬しあった人々が集まって、共通の目的に向かって進めば、様々な見地か ら考察することが出来 るから、目的に到達することが出来る。この視野の広さが成功の基である。...